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建築基準法における特に重要な耐震基準
必要壁量の変遷

建物の必要壁量に関しては、建築基準法制定時に規定されましたが、その後の地震火災の教訓を踏まえ、1959年、1981年の2回改定が行われてきました。
(改正の度に壁の量の規定が増えています)

時期 床面積1m×1m当たりに求められる必要壁量(単位cm)
軽い屋根 重い屋根
建築基準法制定時
1950年
軽い屋根 重い屋根
建築基準法改正時
1959年
軽い屋根 重い屋根
新耐震基準
1981年
軽い屋根 重い屋根

木造軸組みの設置基準

壁の配置バランスが具体的に定められました(2000年:建設省告示1352号)

従来
建築基準法には、「釣り合いよく配置する事」とだけ明記されており、具体的な壁の配置規定については示されていなかった。
新基準
  • 偏心率30%以内である事。
  • けた行及び張り間方向別で、それぞれ両端から1/4ずつの存在壁量が2倍以内であること。等
存在壁量
各々、Aの存在壁量が多くBが少ない場合、B÷Aが0.5以上であればOK。

木造の継手及び仕口の構造方法

各接合部の接合方法が具体的に決められました(2000年:建設省告示1460号)

従来
建築基準法には「くぎその他の金物を使用」とだけ明記されており、具体的な接合方法については示されていなかった。
新基準
  • 筋交いのサイズによって筋交いを止める接合金物が指定された。
  • 柱の位置、耐力壁の強さで柱を止める接合金物が指定された。強い壁には強い金物を使用する事が規定。
構造

ホールダウン金物の使用規定

1の柱 倍率2.0の壁が取り付いていた場合 ②を使用
倍率2.5の壁が取り付いていた場合 ③を使用
倍率3.0の壁が取り付いていた場合 ④を使用
倍率4.0の壁が取り付いていた場合 ②を2つ使用
2の柱 倍率2.5の壁が取り付いていた場合 ①を使用
倍率3.0の壁が取り付いていた場合 ②を使用
倍率4.0の壁が取り付いていた場合 ③を使用
3の柱 倍率4.0の壁が取り付いていた場合 ②を使用
4の柱 倍率3.0の壁が取り付いていた場合 ②を使用
倍率4.0の壁が取り付いていた場合 ②を使用

ホールダウン金物の使用規定
N値計算って?

建設省告示1460号に示される仕口の仕様は、上段と下段で同じ種類の軸組が使用される場合を想定しており、実際の架溝パターンよりも安全側で厳しいものとなっています。ただし、同告示のただし書きによると、実際に柱に生じる引帳力を構造計算により求め、その数値以上の耐力を有する接合金物を選定する場合は前述の規定は除外されます。
しかし、構造計算により柱の軸力を算定するのは非常に労力を要します。そこで、耐力壁の倍率から簡易的に引張力を算定する計算方法が「建築省住宅局建築指導課監修 改定建築基準法(2年目執行)の解説」の中で提案されています。
この手法を用いて金物を選定することを一般的に「N値計算」と呼んでいます。


下の例は、N値計算の例です。2階建ての1階部分の中柱の接合部(赤丸印の部分)を考えます。
建設省告示第1460号では、この柱脚部にはホールダウン金物ボルト3本(耐力15KNを設置すると判断できますが、N値計算結果では、長ほぞ差し込み栓打又はL字型かど金物を使用するという結果になりました。N値計算を行うことで接合金物の過剰設計を防ぐことができます。

接合部
建築基準法によれば
建設省告示1460号表2より、同告示表3の(と)の仕口
建築基準法
ホールダウン金物
ボルト3本(耐力)15kN
N値計算を行うと
N値 = 0.4
(ろ)の仕口
N値計算を行うと
長ほぞ差し込み栓打
又は
L字型かど金物
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